不動産を売却した後に、物件に欠陥が見つかれば、売り主が責任を負います。
この責任を契約不適合責任と言い、欠陥部分の修繕や取り替えなどを行うので、金銭的負担が大きいです。
どのようなものが瑕疵になるか知っておけば、売却前に対策ができます。
不動産売却での契約不適合責任とは？
不動産は、雨漏りやシロアリ被害などの物件の欠陥が発生します。
売り主が確認できずに、不動産売却後に見つかった瑕疵(不具合)は、売り主が責任を負わなければなりません。
瑕疵とは隠れた不具合のことであり、売り主が負う責任を契約不適合責任と言います。
売却前に確認できなかった隠れた瑕疵が、契約不適合責任の範囲です。
隠れた瑕疵に対しては、売り主は補修や修繕、損害賠償などの責任を負います。
隠れた瑕疵を不動産の買い主が見つけてから、1年以内に瑕疵責任を問えば、売り主は瑕疵責任担保を負います。
ただし瑕疵でも、元からあった瑕疵なのか、経年劣化の結果の瑕疵なのか、契約不適合責任の瑕疵なのか判断が難しいです。
そのために、不動産の売買契約では、契約不適合責任を負う期間は、契約成立後2～3ヶ月と設定する場合が多いです。
契約不適合責任は、補償範囲となっている保険に加入すると、見つかった瑕疵を保険でカバーできます。
カバーできるのは、既存住宅売買瑕疵保険という保険です。
不動産会社によっては、独自に瑕疵を保証するサービスもあるので、このようなサービスを利用しても瑕疵を保証でカバーできます。
不動産売却で発生する契約不適合責任の例
契約不適合責任には、物理的瑕疵、法律的瑕疵、心理的瑕疵、環境的瑕疵があります。
それぞれの瑕疵で発生する内容の一例は以下の通りです。
●物理的瑕疵 : 水漏れ、雨漏り、シロアリ被害、耐震強度不足
●法律的瑕疵 : 再建築できない、建築制限、建坪率や容積率のオーバー
●心理的瑕疵 : 事故物件
●環境的瑕疵 : 騒音、振動、異臭、近隣の宗教団体や暴力団施設
物理的瑕疵は、不動産物件の屋根や壁、設備、床などに物理的に発生する瑕疵です。
契約不適合責任の中では、物理的瑕疵によって責任を負うことが多いです。
法律的瑕疵は、建築基本法や消防法などの法令に沿った瑕疵、または法令違反の瑕疵です。
買い主に心理的負担を与える内容が心理的瑕疵です。事故物件（自殺・殺人、孤独死等でその物件で亡くなった物件、マンションでは、その部屋で亡くなっていなくても飛び降り自殺等があった場合も告知事項になります。）
環境的瑕疵は、環境に関することであり、騒音や振動、異臭、近くにある宗教団体や暴力団事務所などがあります。
心理的瑕疵や環境的瑕疵は、売り主が何とも思わないことでも、買い主は負担に感じるかもしれません。
売り主として大丈夫だと思うようなことでも、瑕疵として該当しそうならば、売却前に買い主に伝えておいた方が良いです。
発生する瑕疵を買い主にもれなく伝えれば、隠れた瑕疵が発生する確率を減らし、契約不適合責任を負うことも少なくできます。
必見｜売却査定
まとめ
売却後に隠れた瑕疵が見つかれば、売り主の責任は問われます。
対象となる欠陥を修繕する場合や、賠償責任を問われることがあり、売り主への負担が大きいです。
どのような内容が瑕疵に当たるか把握し、買い主に伝えておくと、契約不適合責任を問われる可能性を減らせます。
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