年数の経過した不動産やあまり状態がいいとは言えない不動産が売却される際に多い「現状渡し」。
不動産の現状渡しに関わるメリットとデメリットはあらかじめ知っておくと安心です。
現状渡しの注意点などを踏まえて、いろいろと解説していきたいと思います。
時に大きなメリットとなる不動産売却の現状渡しってどんなもの？
日本国内の中古住宅市場でよく見られる言葉に「現状渡し」というものがありますよね。
この現状渡しというのは、売却している不動産に何かしらの修繕が必要な場合などでも「現在の状態のまま売主から買主へ引き渡される不動産」をあらわす言葉。
現状有姿渡しや現況有姿などとも呼ばれています。
売主側が現状渡しとして売却する場合のメリットは、修繕にかかる費用を抑えられる点、スケジュール的な制約が少なくなる点、早く売却が済ませられる可能性が大きい点など。
また、買主側のメリットとしては、相場価格よりもリーズナブルに購入ができる点、自分たちが好きなようにリフォームしやすい点などがあげられます。
時々、不動産の売却を検討していらっしゃる方の中に、「現状渡しとして売却することで売却後に何らかの不具合が見つかった場合も契約不適合と見なされないので安心」と思っている方がいることもありますが、これは間違った認識となりますので注意しましょう。
知らないと損？不動産売却における現状渡しのデメリット
売主側にとってメリットが多く感じる現状渡しですが、実はきちんと知っておくべきデメリットも存在します。
まず、不動産を現状渡しとして売却する際に気をつけておきたいのは、前項目で少しお話したように、売却後に、売買契約書・現状確認書・付帯設備表などに記載のない瑕疵が見つかった場合には、売主側が契約不適合責任に問われること。
2020年の民法改正により、以前までの瑕疵担保責任は契約不適合責任となり、不動産の売却後に契約不適合と見なされるケースでは、売主側に損害賠償請求があることもありますし、契約解除となってしまうこともあります。
またそのほかに売主側のデメリットとなるのは、相場よりの安い価格での取引となってしまう点や、家具・家電・不要品などに関しても売主側で撤去する必要がある点。
現状渡しとして不動産を売却しようとする際は、売却後のトラブルに発展しないようにしっかりと不動産の現状を把握し、売買契約のための正式な書面に記載しておくことが何よりも大切になります。
まとめ
買主側にも売主側にもメリットがある現状渡しでの不動産の取引。
現状渡しで不動産の売却を考えている方は、「見てすぐにわかる欠陥」だけではなく、「住んでいるからこそ気がつけるちょっとした欠陥」まで意識して、トラブルのない売却を進められるようにしましょう。
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